落語、楽語、Rock語
2007 / 10 / 17 ( Wed )
お酒呑む人花ならつぼみ

今日もさけさけ明日もさけ



というのは落語の一節だ。
私はたまに落語を聞く。
きっかけは大好きなパンクロック作家の町田康だったけど、聞いてみると思いの外、ハマってしまった。

落語の魅力はというと、語呂が良いのと言葉のかけ遊び。

上のだって、お酒が好きな人を花にたとえて、今日も明日も「酒=咲け」と言ってるのだ。しかも俳句みたいに7と5で合わせてあって、一回聞くと覚える。

さて、落語家は何人もいるけど、私は10人くらいのしか聞いたことない。(ちなみにタモリのも聞いた。)でも、その10人の落語家の中で、私が「会った!」と思った落語家がいた。


この人、桂枝雀(二代目)。もう亡くなってしまったけども。

10人くらいのしか聞いてないけど、他の落語家と何が違うのかというと、まず、声。他の人よりも高めで通る声、でも全く耳障りじゃなく、興味を引かれるような声。
談志が一席はじめる前に「一席お付き合いいただきます」というのと、桂枝雀が「もう一席お付き合いいただくのでございます」というのでは1と50くらいの差がある。というのも、談志のは目と耳を談志の方向に向けるだけで、はじめは彼とお客の間に壁があるのが否めないけど、桂枝雀のは、意識を向けさせるだけじゃなくて、何が始まるのか、彼がどんな話をしてくれるのかと楽しみな気持ちまで持たせるのだ。声がいいのか、彼が楽しんでるのが伝わるのか。CDで聞いても、彼と聴き手(私)の一体感があるから本当に不思議だ。

私が一番好きなのは「百人坊主」という、村人全員が頭を丸めて坊主になってしまう話。村のおかみさんたちが声を揃えて「ナンマイダー」という下りは、現代人の私だけど、かなり笑える。しかも、桂枝雀が一人で言う「ナンマイダー」が、ほんとに30人くらいが言ってるように聴こえる。それだけ話に引き込むんだな、彼。


私が落語に興味を持つようになった今思う。彼が亡くなってしまったのは本当に惜しい。ちなみに英語落語をはじめたのも彼。

彼は数年前に自殺した。芥川も、三島も、太宰も、伊丹十三も、天才は何考えてるかわからない。この人達が生きてたら、どんな作品が残ってたのか、想像もつかないけど、ぜったいに世の人の得になるものだと思う。
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天才峯田和伸
2007 / 10 / 14 ( Sun )
銀杏BOYZボーカル峯田和伸。映画に本にとマルチに活躍してる彼。

ゴイステ時代は、率直な歌詞とお客さん(男)にフェラチオさせるとかハチャメチャなライブパフォーマンスで青春まっただ中の中高生男子のハートをがっちし掴んでインディーズの音楽シーンをにぎわせ、最近はもうすぐ三十路なのにライブで脱いで書類送検。二回も。

いきなりあらぬ方向を恍惚の瞳で見つめて棒立ち、そして発狂したように踏む千鳥足のようなステップ。MCはあつくズーズー弁。よだれたらして歌を歌う。と、かっこいいとこはないのだ。

でも、私にとっての峯田の魅力は、かっこわるくても「大好きです、君が死ぬなら僕も死ぬ」という素直で愚直とも言えそうな想いなのだ。
おまけに歌詞のワードチョイスは天才だ。

例えば、反射のように中学高校の校舎を思い出すのはこの一節。
「初恋の風がスカートを揺らす」(青春時代)

校舎だけじゃなくて、その頃好きだった人を思うちょっと甘くて切ない気持ちとか、放課後のグラウンドの雰囲気とかが脳裏に浮かぶ。天才だ、峯田。

「イヤフォン耳に当てて 天の川の声が聴こえて
 銀色砂漠に響く 新世界交響楽団
 名前はカムパネルラ 翼溶けた夜王子
……
 ご覧よ満月だよ 碧うさぎの目はさくらんぼ
 蛍光アンドロメダ 口づけの森のかくれんぼ」(夜王子と月の姫)


と、上は銀色夏生もびっくりのワードチョイス、僕の世界にようこそ的な、一歩間違えると、大丈夫か?とでも言いたくなる歌詞。でもこの歌詞がけっこう甘めの旋律にのってるから、聞いてて心にジーンと来るのだ。

ゴイステ、銀杏の曲は、私としてはほぼ全部名曲なのだが、特に好きなのは、峯田の実話をもとにした「東京」という曲。
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